野球

ラストイニング

作画:中原 裕、原作:神尾龍、監修:加藤潔
小学館
ビッグコミックス

このマンガのレビュー

廃部の危機に立たされた、かつての名門・彩珠学院高校野球部。「来年の夏までに甲子園に出場する」ことを条件に、野球部存続を約束された校長は、とある男に監督を依頼する。それは13年前、甲子園予選試合で審判への暴力事件を起こした鳩ヶ谷圭輔だった。「弱小校が大舞台を目指す」というよくある物語に見えるが、強豪校と戦うまでの描き方・過程が見どころ。監督である主人公の、一見奇抜な練習方法・不思議な采配が、効率的かつ理論に基づいており、そこから生み出される勝利のシーンは快感でさえある。努力と根性、汗と涙、勝ち負けよりも誰かが決めた「高校球児らしいひたむきさ」を尊ぶ…。そんな曖昧な精神論を廃した、ありがちなスポ根野球とは一線を画す、一味違った野球マンガだ。 鷲谷 祐也

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