野球

大甲子園

水島 新司
秋田書店
週刊少年チャンピオン

このマンガのレビュー

水島先生の数ある野球漫画のキャラたちが戦い合うという、集大成的夢物語にて、つい気になるのが、主人公チームの明訓高校。といっても、おなじみ山田・里中・殿馬・岩鬼の明訓四天王ではなく、それ以外のメンバーです。例えば6番を務めるのが、上下(かみしも)くん。名字からして「え?」となりますが、その名前は、左右太(さゆうた)。「え?推敲ゼロ?」と、ついキャラへの愛着を疑ってしまう圧巻のネーミングなのでした。そしてさらには、7番の蛸田くん。そうご想像通り、顔からしてタコで、しかも語尾に「〜タコ」が付く徹底ぶり。超有名主人公チームなのにこの大胆なキャラメイキング、何よりも野球が第一、ということなのでしょう。 ヨシダプロ

「ドカベン」こと山田太郎の所属する明訓高校を中心に物語は進むが、「球道くん」や「一球さん」などの水島新司オールスターが集結して、夢の対決を披露する。有名映画だと『アベンジャーズ』や、漫画でも『ドラゴンボール』にアラレちゃんが登場したり、話題となったクロスオーバー作品はたくさんあるが、『大甲子園』が描いたのは原作の枠の超えた戦い。主人公vs.主人公の戦いに勝敗をつけるのは禁断だと思えたが、汗握る戦いに、これ以上ない興奮を味わったのも事実である。少なくとも『大甲子園』以上に興奮させられたクロスオーバー作品を私は未だ出会ってないし、これから出会うことはないのだろうと思う。 眞形 隆之

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