空手
空手バカ一代
- 講談社
伝説の空手家・大山倍達の半生を描いた伝記的な作品
このマンガのレビュー
それまでは正義の柔道家に退治される悪役として描かれがちだった空手は本作によってメジャーな格闘技になったと言える。原作者の梶原一騎による「これは事実談であり、この男は実在する」「大山倍達・談」という独特の語り口によって、読者は大山倍達の超人伝説に引き込まれてゆく。このマンガが全てノンフィクションだと信じていた人も多いだろうし、原作者による誇張や創作があったと認識したのちも、このマンガの面白さは決して色褪せない。『四角いジャングル』『男の星座』ほかの梶原一騎原作の極真空手、大山倍達登場のマンガも合わせて読むと面白さも倍増間違いなし。 筆谷 信昭
空手そのものだけではなく実在した人物の人生を描いた作品であるところが面白い。 清廉さ、真摯さ、情熱を重んじる人物像を主人公にしたところに少年マンガのお手本を見る。ハードボイルドやノンフィクションを感じさせる他のマンガにない迫力が作品の魅力をいっそう引き立てる。事実を完全に再現することの難しさに挑戦した梶原一騎氏の力作であり、空手ブームを巻き起こした傑作といえる。 馬場 晋一