©️坂田信弘・かざま鋭二/小学館
このマンガのレビュー
主人公の沖田圭介をはじめとして、本作に登場する人物は様々な形でゴルフに真摯に向き合っている。中には志半ばで逝く人、壁や不運にぶつかり道をあきらめる人もいる。だが、その姿はすがすがしく、どこまでもまっすぐである。奇をてらうこともなく、ド派手な展開や演出もないが、コースを一歩一歩歩くように、ゴルフの深さを教えてくれる作品である。 森尾 貴広
一切ゴルフをやったことがない私。子供の頃から、ゴルフに熱中する大人をみて、「なんでこんなに夢中になってるんだろう?」と思い続けていました。が、この超大河ドラマ作品、風の大地を読んで、大人は、ゴルフというスポーツに人生を見いだしながらプレイしていたんだ、ということが実感として伝わってきました。そして、そのゲームの中を主人公として颯爽と歩いて行く沖田圭介は、マンガ史上最大の人格者の一人。人格者こそ結果を残すのだ、という我々の心が本当は望んでいることを実現してくれている姿に、目頭が熱くなる。 吉田 尚記
連載30年を超える長寿なゴルフマンガだが、その魅力はゴルフという競技を通じた人間ドラマだ。ゴルフはソロ競技と思われがちだが、自然と自分自身、そして一緒にラウンドするプレイヤーとの会話や心理といった心の持ち方一つで結果が左右される。主人公のゴルフに対するひたむきな姿勢や取り巻く登場人物らとのやりとりから醸し出される物語に没入していく感覚とともに、人間哲学や生き様を学び取ることができるはずだ。 江口 晋太朗