最初はたしかにボクシングマンガだった。それが回を重ねるごとにステージが上がっていき、神々との戦いになるに及んでとうとうSFマンガになった。その荒唐無稽ぶりがやはりマンガのダイナミズムだろう。この手法は『聖闘士星矢』に受け継がれていく。
レビューの一覧
©︎井上雄彦 I.T.PLANNING,INC.
バスケットボール
SLAM DUNK
- 集英社
バスケマンガの金字塔!90年代にバスケを一躍世界ブームに
70代から10歳刻みで世代を分けて、それぞれの世代ごとの人気マンガのベスト10を決める企画があった。全世代を通して一番人気があったのがこのスラダンだった。漫画史上にその足跡を確実に残した井上だが、その面白さのエッセンスが全て詰め込まれている不朽の名作といえよう。
キッボクシングの王者沢村忠が昨年亡くなった。一世を風靡したこのスポーツが当時いかに人気があったかが伝わってくる。『あしたのジョー』、『巨人の星』という名作を生み出した梶原一騎の物語作りの天才ぶりはこの作品でも健在だ。
格闘技の奥義技を一人一人が身につければそれは忍術になる。忍術マンガの最高峰『NARUTO』の作者に多大な影響を与えたこの作品、改めて読み返してみると相当な完成度に達していたことがわかる。それだけに作者のプレッシャーも感じることができる。
©小山ゆう/小学館
最速で走る人間しか感じることのできない瞬間を絵にすることができる作家は多くない。その感覚を読者に共有させてくれたことでマンガは一つの進化を遂げた。読者へのサービス精神が極限まで高められた時の光景を堪能せよ。
©村上もとか/小学館
格闘、恋愛、友情、葛藤、求道など少年マンガのエッセンスが全てつぎ込まれた作品、面白くないわけがない。発展途上の作者の画力が、物語の進行に伴って驚異的に向上していくのを目の当たりにすることができる。
崖っぷちに立たされた選手がいかに危難を切り抜けるか、そのハラハラドキドキ感を描かせたら天下一品の作者による相撲マンガ。敗戦即引退を公言している主人公の圧倒的なパワーと緊張感が画面から溢れ出してくる。人気の野球マンガ『フォーシーム』のプロトタイプ的作品。
作者の代表作にして柔道マンガの最高峰的作品。感情移入しやすい主人公、スピード感あふれる試合のシーン、ライバルたちの柔道人生への想いなどどれをとっても一級品。やたらと長編化する傾向にあるスポーツマンガの中にあってピシッと11巻で終わらせているところがすごい!
野球
ドカベン
- 秋田書店
- 週刊少年チャンピオン
昨年漫画家引退宣言をした作者のライフワーク的作品。改めて全作品を読み返してみると、そこにはマンガの面白さのエッセンスが詰め込まれていることに気付く。『スラムダンク』の井上雄彦に多大な影響を与えた正統派野球マンガ。
©川崎のぼる/小学館
レスリング
アニマル1
- 小学館
アマチュアレスリングでオリンピックを目指す!
1964年の東京オリンピックで金メダルが期待されていたアマレスをテーマにした作品。あの頃は全国民がオリンピック開催に向けて気分が盛り上がっていた。2021年のオリンピックに向けてムードを高めていくいいきっかけになる話だったのだが…。