©麻生いずみ/集英社
新体操を描いた漫画は少ない中(『タッチ』の南ちゃんはとても描いたとは言えない…)、本作では新体操の当時(80年代後半)のルール、技などをきちんと表現している。主人公の上条光、先輩でライバルの椎名葉月。主人公をめぐる恋のライバルとして体操選手の大石先輩と不良で天才ミュージシャンの夏川くんの4人というキャラクター構成はありがちのようだが、この夏川くんとの恋愛模様とともに、新体操に使われる音楽という観点からもいろんなエピソードが描かれているのも面白いし、意外なラストは秀逸。夏川くんは同じ作者の自作『ナチュラル』にも重要な役で登場というオマケも。筆谷 信昭