©山岸凉子/KADOKAWA
バレエ

舞姫 テレプシコーラ

KADOKAWA
過酷な現実と天才への期待。美麗に描かれたバレエの世界

バレエマンガとしては、あの『アラベスク』から30年ぶりとなる山岸凉子先生の怪作。物語のスタート時点で、主人公・六花はまだ小学5年生。彼女をはじめとする10代の少女たちに、バレエをとりまく様々な問題が降りかかる。バレリーナというアスリートに求められる身体的な資質の壁。いじめや児童虐待、拒食症といった社会問題。綿密な取材に基づくであろう設定が、ストーリーに生々しい現実感と説得力を与えていて、だからこそその中から希望を見出し成長していく六花の姿はとても美しい。松田 健

主催
助成