陸上

ひゃくえむ。

魚豊
講談社
人が走ることの根源に触れる、100メートル走という刹那の機微を描く

とにかく熱い。シンプルなのに迫力ある絵、そして脳を殴られるような強いセリフの数々。弱ってる時も、絶好調の時も、時々読み直しては心に刻みたくなるような作品です。わずか100m。その距離を最速で走り抜けることに魂を賭けるとはどのようなことなのか。最速であれば人生の全てを手に入れられ、ひとたび負けると逆に全てを失う。そんな高揚感と恐怖にさらされて葛藤し続ける男の25年を追うのは、とても得難い読書体験です。ウエハラアズサ

主催
助成