子どもの頃から几帳面で勉強家だった丸尾栄一郎が、高校でテニスに出会い、選手として成長していく姿を描く。いわゆる“熱血もの”とは違い、地道な努力を重ねて少しずつステップアップしていく丸尾が、等身大の主人公として好感が持てる。対戦選手の動きを観察・記憶して分析し、試合中もノートに記録を取って戦略を立てるといった頭脳型のプレーが斬新で、テニスの知識が少ない人にもとっつきやすいのでは。吉村 麗