数少ない柔道マンガにおいて、時折ギャグを交えながらも、楽しみながら強くなる様子を描く同作は、スポ根マンガではない部活動マンガとして今も色あせない名作だ。柔道という個人競技でありながら、団体戦の描写などチームとしての目標に重きを置く。スポーツマンガにありがちな権威主義などはなく、大人も子どももフラットな関係でスポーツを楽しむ描写は、現代にこそ、その作品の特徴が光るのではないだろうか。読後には、部活という青春時代をもう一度過ごしたいと思われる気持ちになるはずだ。江口 晋太朗