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きだ さおり

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レビューの一覧

バレーボール

少女ファイト

日本橋 ヨヲコ
講談社
複雑な人間関係を描く、高校女子バレー群像劇
熱血高校バレー漫画!!!なのですが、日常生活で思い出す、ハッとする言葉がたくさん出てきます。人にはそれぞれ抱えている背景があり、チームで何か目標に向かっていく時に、周りにどう思われているか気にしてしまったり、人間関係の壁にぶつかったりする時に、少しだけ考え方を楽にしてくれるような言葉をくれる漫画でした。特に「どうにもならない他人の気持ちはあきらめて、どうにかなる自分の気持ちだけ変えませんか」という台詞が印象的で、わかりあえない部分があっても、そこを尊重してチームを作っていけるということを学ばせてもらいました。
フィギュアスケート

ワン・モア・ジャンプ

赤石 路代
小学館
ちゃおコミックス
おそらく生まれて初めて読んだスポーツ漫画、子供の頃に家にあったのでなんとなく読み始めたら、考えさせられるテーマが多く夢中になったのを覚えています。リレハンメルオリンピックや長野オリンピックが舞台にもなっていて、そこからオリンピックを知り応援するようになったのですが、作中でのチェルノブイリ原子力発電所事故について描かれているエピソードが衝撃的で、テレビでスポーツの大会を見る時に、選手が背負っている国の背景や歴史まで考えるようになりました。子供の頃にこの作品を読めてよかったなと思っています。
©曽田正人/小学館
バレエ

曽田 正人
小学館
美しく舞うバレエの世界で描かれる「天才」ゆえの苦悩と孤独
バレエに対して持っていたイメージを一変させた漫画でした。弟の命を長くつなげるために「踊らなくては」という使命を背負った昴が、踊ることで生きていく様が生々しく描かれていて、夢中で一気に読んでしまったのを覚えています。ダンスシーンの表情が本当に生きているようで、漫画を読んでいるというより、目の前で踊られているのではないかという錯覚をおこすような漫画でした。受験期に友達からオススメされて読んだので、昴の己の能力を信じて諦めない姿勢に励まされた思い出です。
野球

青空エール

河原 和音
集英社
マーガレットコミックス
高校に入学したばかりの時に「甲子園に連れていく」「アルプススタンドで演奏する」という約束をした野球部と吹奏楽部の2人の高校3年間の物語。部活を通じて、壁にぶつかって、落ち込んで、それでも夢を叶えるためにもがいて、成長していく姿が眩しくて、胸が熱くなります。「甲子園」という青春の象徴とも言える特別な場所に込められた、野球部の気持ちだけでなく、応援する側の気持ちも感じることができて、本当に青空に心を洗われたような感覚になれる作品です。
フィギュアスケート

キス&ネバークライ

小川 彌生
講談社
アイスダンスをテーマにした、ラブコメ×スポ根×ミステリー!?
アイスダンス選手のみちるが幼い頃に抱えた心の傷と戦いながら、選手として成長していく物語なのですが、その傷にまつわるミステリー、登場人物の恋愛など要素が盛り沢山で、色々な角度から読み進めていくことができます。何を成し遂げる上で、心というものが一番重要で、自分に自信を持つことの難しさを思い知らされるし、すべての他者によって傷つけられた人が、それによってやりたいことを諦めることがないよう祈りながら読んでいました。スケート用語にも詳しくなれるので、テレビでスケート観戦するのが少し楽しくなれると思います。
主催
助成