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eスポーツ

利口になるには青すぎる

大沼 隆揮、内田 裕人
講談社
ゲームが趣味の27歳無職の青年・桜田はるとが、プロゲーマーとの対戦をきっかけにeスポーツの世界に没頭していく物語です。大人になってから再びゲームへの情熱を取り戻していくはるとの姿に心を揺さぶられます。日本で注目度が高まっているeスポーツを舞台にした作品ですが、長年に渡り日本のeスポーツ業界を牽引してきた松本順一氏が監修を務めており、リアルなeスポーツの世界が垣間見える点も見どころの一つです。
フィギュアスケート

メダリスト

つるまいかだ
講談社
夢に挑むふたりの奮闘を描く、熱いフィギュアの世界を描く
自分に自信がない、そしてみんな出来てることができない…。そんな「ない」ものだらけの小学生の少女・いのりが、夢破れたフィギュアスケーター・司と出会い、オリンピックで金メダルを目指す物語です。スポーツマンガには珍しく、ガラスのように繊細で弱い心を持つ主人公・いのりが、ゆっくりだけれど一歩ずつ確実に夢に向かって成長していく姿に勇気をもらいます。日本のフィギュアスケート界の現状にも切り込んでいるので、本格的なスポーツマンガとしても楽しめる作品です。
ダンス

シャドークロス

スガワラ エスコ
集英社
ヤングジャンプコミックス
対人恐怖症のため他人に触れることができない赤城冬実は、ダンス・スポーツ選手の長尾忍と運命的な出会いを果たし、ダンス・スポーツの世界に足を踏み入れます。人に触れることができないためにずっと孤独だった冬実がダンスを通して世界と繋がり、自分の可能性を広げていくところが本作の魅力。知られざるダンス・スポーツの裏側を知りたい人はもちろん、何か打ち込めるものを探している人におすすめの作品です。
©︎松本大洋/小学館
卓球

ピンポン

松本 大洋
小学館
「才能」と向き合って自分を知って道を拓く青春群像劇
高校卓球を舞台に、天才・ペコと鬼才・スマイルとする少年たちのアツき戦いを描く本作。主人公・ペコは天才肌で、幼少期からその頭角を現します。地元で敵なしのペコは、自由奔放さに拍車がかかり、やがて部活や練習もサボるようになります。一方で、幼馴染のスマイルは徐々に才能を開花させやがてペコを凌駕するほどの強さを身につけます。対照的なペコとスマイルの姿を通して「才能」について考えさせられる作品です。特に、一度闘志を失うペコが復活を遂げるまでの過程は必見です。
©渡辺航(秋田書店)2008
自転車

弱虫ペダル

渡辺 航
秋田書店
チーム戦ならではの仲間との助け合いや友情が魅力
アニメやゲームのためにママチャリで千葉から秋葉原までママチャリで通っていた高校生・小野田坂道。その経験で培われた驚異の「漕ぎ」を見出され、坂道はアツくて過酷な高校自転車ロードレースの世界に身を投じていきます。チームワークの大切さはどのスポーツにも言えることで、もちろんロードレースでもかなり重要視されます。ですが、ロードレースは自分のコースを走っている時は孤独...。自分との戦いなのです。直線道路、激坂、そして後を追ってくる敵たちと戦いながら、チームの襷を繋げるために最後まで全力で漕ぎ続けるその姿に思わず胸がアツくなります。チームワークはもちろん、自分との戦い方について考えさせられる作品です。
ボクシング

RIN

新井 英樹
CoMax
『シュガー』の続編となる本作。プロボクサーとなった石川凛の圧倒的才能、そして天才ゆえの孤独を圧倒的な筆致で描きます。あまりの天才、いや鬼才っぷりに主人公・凛に共感できる読者は少ないのかもしれません。ですが、世界王者の座を奪取した凛はその直後のインタビューで「石川凛にとってボクサー石川は何者ですか?」と聞かれこう答えるのです。「本当に一番好きなことやってたら自分眺めてるヒマなんかねえだろ」と。凛に共感できなくても、栄光にしがみつかず、ただ強さを求めて自分の道をひた走る凛の姿に誰もが奮い立たされることでしょう。
ボクシング

シュガー

新井 英樹
CoMax
後にボクシング界の歴史に名を残すことになる主人公・石川凛。そんな凛がボクシングと出会い、才能を開花させていくまでを描いた物語です。初めてボクシングを体験した凛は、その時のことを「胸がこう...デレっと甘くなった」と表現します。自分が夢中になれるものに出会った時、誰もがこんな気持ちになるのではないでしょうか。夢や目標を持つ人は、凛がプロボクサーを目指しひたむきに挑戦し続ける姿に刺激を受けるはず。ボクシングマンガならではの臨場感溢れる激しい決闘シーンはもちろんですが、凛がボクシングに魅せられ心身ともに没頭していく姿は思わずゾクっとしてしまう迫力があります。
主催
助成