バスケットボール
SLAM DUNK
- 井上 雄彦
- 集英社
バスケマンガの金字塔!90年代にバスケを一躍世界ブームに
王道中の王道、選ぶべきか迷ったが、一生忘れることのできないシーンを幾度となく体験させてくれた日本マンガ界が誇る傑作であることは間違いない。あらゆる競技のなかでも、とりわけスピードが勝負のバスケットボールにおいて、1分間のうちに数々のドラマが巻き起こる。選手たちの交わす一瞬の視線、呼吸、シュートを打つステップの一歩一歩まで、まるで自分が現場をスローモーションで見てきたかのような錯覚に陥るほど、あの躍動がいまもありありと思い出せる。運動が苦手な自分にも、スポーツの喜びを教えてくれた作品。
スケートボードってワクワクする。大人になってからも始められる!
2020東京オリンピックより公式競技種目となったスケートボード。マンガではあまり描かれてこなかったジャンルだが、中でも女子スケーターを描いた『Sketchy』は国内・世界初の女子スケボーマンガといえるかもしれない。作者自身もスケートボードにハマっているだけあって、リアルな女子スケーターのカルチャーシーンが細かく描写されている。知られざるスケートボードの世界を、スタイリッシュに描き出した入門編的作品。
バレエ
ダンス・ダンス・ダンスール
- ジョージ朝倉
- 小学館
男子バレエを熱く描く、性別は関係ない踊ることへの欲求
世にバレエマンガは数あれど、本作品は男子バレエにフォーカスを当て、なおかつクラシック世界のみならず、映画や音楽、コンテンポラリーダンスなど、作者のもつ多彩な知識や文化背景を取り込んだ作品。現代のコンテスト形式が詳しく紹介され、現役で活躍するバレエダンサーの名前も度々登場するため、一冊読み終わるごとに動画を検索してしまう読者は多数なはず。心のなかで沸き起こる目まぐるしい感情が、体全身から放出されるシーンは圧巻。
ボクシング
ZERO
- 松本 大洋
- 小学館
- ビッグコミックス
リング上で、極限状態にさらされたボクサーたちの中では何が起きているのか?主人公は10年無敗の強すぎるボクサー。その屈強な精神は誰にも理解されず、「人間ではない」と揶揄されながらことごとく対戦相手を打ち破っていく。天才的な身体性をもつアスリートの精神世界とは何か、体と体でぶつかり合う行為のなかに崇高な美学を見出した異色の作品。
バスケットボール
パッション・パレード 朱鷺色三角2
- 樹なつみ
- 白泉社
- LaLa
保守の街・アメリカ中西部にバスケ留学した主人公・霖を取り巻く社会派作品。いわゆる日本のスポ根部活マンガとは異なり、アメリカの高校・大学におけるスポーツの位置付けや、黒人文化の根強いバスケシーンのリアルな実情を描き出す。主人公の恋人や親友になる人物はいずれも黒人で、彼らとの関係を通じて社会に潜むさまざまな差別や貧困格差にも向き合うことになる。スポーツは社会と無関係ではなく、他国のスポーツ文化の成り立ちを学べる良作。