選者の一覧

小林 聖

フリーライター

レビューの一覧

サッカー

1/11 じゅういちぶんのいち

中村 尚儁
集英社
ジャンプSQ.
ひとりの天才女子選手を軸に、彼女と関わった人間などのエピソードを描いていくオムニバス形式の作品。選手はもちろん、競技者でない人たちの人生にスポーツや選手の存在が影響を与え、変えていく話も多く、スポーツの可能性や力、魅力を改めて認識させてくれます。
野球

グラゼニ

原作:森高 夕次、作画:アダチ ケイジ
講談社
「グラウンドにはゼニが落ちている」ープロ野球を「金」から描く
単純な勝ち負けだけでない、プロとしての競技者の世界を垣間見させてくれる作品。試合の勝ち負けくらいしか知らなかったので、プロスポーツの世界の見方が変わりました。
©️浦沢直樹/小学館
テニス

Happy!

浦沢直樹
小学館
高校を退学してプロテニスプレイヤーに! プロテニス事情がわかる
単純に「読み始めたら止まらなくなる」という引力の強さでは、この作品がスポーツマンガ随一だと思っています。スポーツマンガとしての魅力というのと本質的に少しズレるかもしれませんが、エンタテインメント作家としての浦沢直樹の実力、才能が凝縮された作品ではないでしょうか。
©古舘春一/集英社
バレーボール

ハイキュー!!

古舘 春一
集英社
圧巻の臨場感!キャラも魅力的な大人気バレーボールマンガ
「ネットの“こっち側”に居る全員!もれなく“味方”なんだよ!!」というセリフに象徴されるように、チーム競技の魅力が詰まった作品。単なる「仲の良い友だち」という関係とはまた違う、ぶつかり合い、張り合いながらも、同時に全幅の信頼を置く味方・仲間という関係の熱さに心が揺さぶられます。演出面も秀逸。効果音の描き文字などもうまく使い、緩急の効いたシャープな演出で、バレーボールのスピード感を伝えてくれます。
サッカー

さよなら私のクラマー

新川 直司
講談社
女子サッカーが舞台!諦めずに努力を続ける
なでしこジャパンの活躍以降、急激に注目度を集めるようになった女子サッカーの世界を舞台にした作品ですが、本作を読むとむしろ「スポーツに本質的に男子・女子などという境はない」と感じさせられます。ひたすら頂点を目指し、世界を変えようとする若きプレイヤーたちの躍動は、男子・女子という境界と無関係に心動かされます。主役である高校生たちはもちろんですが、彼女たちを支え、ともに世界を変えようと願う大人たちにも心打たれる作品です。
©山田 芳裕/小学館
陸上

デカスロン

山田 芳裕
小学館
十種競技の勝者がキングオブアスリートと言われる所以は
演出で度肝を抜かれた作品といえばこちらも。強烈なパースと大胆な構図によって描かれることで、「陸上競技とはこれほど力強く、強烈な世界なのか」と初めて理解しました。現実の陸上競技の見方や印象も一変させてくれた作品です。
©︎松本大洋/小学館
卓球

ピンポン

松本 大洋
小学館
「才能」と向き合って自分を知って道を拓く青春群像劇
今でもスポーツマンガでもっとも美しい画面だと思う作品。コントラストの高い硬い印象の絵で効果線も控えめでありながら、構図やポージング、表情などで激しい動きやスピード感、迫力を演出する画力は圧巻。ほんの一コマ見ているだけでも息を飲むほどです。
©ちばあきお/集英社
野球

キャプテン

ちば あきお
集英社
中学校野球部が主役! 3年間の青春=部活の魅力
すでに『巨人の星』など魔球といったギミックを使った先行ヒット作が生まれていた時代に、地味と言ってもいいくらい堅実な中学生野球を描いた作品。試合自体も面白いですが、試合に至るまでのチームの成長、人間ドラマが大きな魅力。タイトルどおりキャプテンが主役ですが、そのキャプテンが代替わりしていき、世代交代による衝突を乗り越えながら新たなチームができあがっていく過程を描いているのが、今読んでも新鮮です。後の『GIANT KILLING』など、マネジメントにフォーカスしたスポーツマンガのブームを30年以上先取りした作品ともいえます。
©︎井上雄彦 I.T.PLANNING,INC.
バスケットボール

SLAM DUNK

井上 雄彦
集英社
バスケマンガの金字塔!90年代にバスケを一躍世界ブームに
言わずと知れた傑作であり、スポーツマンガとしては歴代発行部数第1位という大ヒット作なので、今さら名前を挙げるまでもないですが、やはり外せない作品だと思います。当時マンガの題材としてはマイナー競技であり、ルールなどを詳しく理解している人も決して多くなかったバスケットボールを、真っ正面から描き、その熱さ、面白さを知らしめたというだけでもやはり驚かされます。必殺技的なギミックを含めた作劇が多い少年誌で、最終的に「(ダンク・アリウープもジャンプシュートも)同じ2点だピョン」と言わせ、最後の試合をジャンプシュートで締めくくったのはスポーツマンガにおけるエポックだと思います。
主催
助成