フィギュアスケート

The チェリー・プロジェクト

武内 直子
講談社
『セーラームーン』武内直子が描く、繊細なフィギュアスケートの世界

このマンガのレビュー

『セーラームーン』の著者&冨樫義博氏の結婚相手としても知られる武内直子さんの初期作。主人公のちえり(チェリー)は父が元スケートチャンピオンで、振り付けを見ただけで完コピできる天才。憧れのスケーター続(つづき)くんは実家が資産5億ドルの大財閥で、彼とペアで踊ることを目標にして、もう一人の天才少女・キャンティ秋山と争うという物語。最終回に向かうにつれ主人公の能力が開花し、一人で踊っているのにデススパイラルという男子に腕を持たれないとできない技を繰り出します。笑っていいのか真面目に受け取ればいいのかわからなくなりますが、絵はさすがの武内さん、非常に繊細でうっとりしてしまう全3巻の名作です。 風間 美希

元スケート選手だった父の影響で幼少期から趣味でスケートをしていた中学生・飛鳥ちえり(通称チェリー)が、憧れのスケーター・続に導かれ、氷上の戦場で羽ばたいていく物語。女子向け幼年誌『なかよし』の連載(1990~91年)。当時女子には不可能と言われていた技を軽々と決めたり、物理的に不可能な技が登場するなどやや突飛な設定も多いが、フィギュアスケートの芸術的な魅力を少女マンガというコードにうまく落とし込み、随所に少女の心をくすぐる要素が散りばめられている。試合ごとに変わる衣装のデザインが可愛くオリジナリティに富んでいるのも魅力の1つ。 吉村 麗

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