©曽田正人/小学館
自転車

シャカリキ!

曽田 正人
小学館
個人競技としてのロードレースの魅力、天才が見る限界の先

このマンガのレビュー

曽田正人先生の描く漫画の主人公は“天才”です。ただの天才ではなく、“孤高の天才”です。他の漫画だと敵役のキャラクターにそういうキャラクターが多いのですが、曽田漫画はその逆なんです。普通はそうしたキャラクターは理解しにくいものです。しかし、主人公のテルの「坂を登りたい」という純粋無垢な動機は、わたしたちが子供の頃にもっていたなにか大切な感情を、激しくゆさぶりつづけます。そうなんです。人は誰しも奥歯を割るほどに、何かに没頭したいんです。本当は。テルが私達に気づかせてくれるのは、表面的なチームワークや困難や達成感でなく、アスリートの枠を越えた、人間としての根源的な衝動なのです。 中村 太一

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