©村上もとか/小学館
このマンガのレビュー
山とは、その美しさ、厳しさ、激しさ、静けさ、などの多面性を秘めた自然そのものだ。だからこそ多くの登山家はその命を賭してまで、そこに挑むのだろう。それはただのクライマーとしての功名心よりも、人としての本能的衝動のようにも感じられる。本作はその「限界への挑戦」を描き切った傑作だ。また、登山家だけでなく、職業としてそれをサポートする案内人シェルパたちを描いたエピソードも出色だった。山にはそこに住まい、生を営む人もいる。自然としての山を描くとは、そういうことなのだと思う。 中村 公彦
オムニバス形式で歴史に名を残したクライマーたちのドラマを追った短編シリーズ。せいぜい山歩き程度のことしかできない私にとって、感動を教えてくれた山岳マンガです。有名クライマーではなく、シェルパの少年の成長を描いた「裸足の壁」が一番好きなのではありますが・・・。 中野 晴行