その他の 体操・新体操 マンガ
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全7巻と決して長くはない作品だが、短い巻数にこれほど泣けるポイントがあるマンガも少ないのではと思う。主人公の北野太一とヒロインの赤城榛名の男女の体操選手ふたりの幼い頃からの因縁そして恋愛も作品の重要な要素だが、体操競技についてもしっかり描かれていて、80年代の作品だが、当時には世界でも未開発だった作中で描かれた技が後に実現している例もいくつかある。ラストの展開はある意味少年ジャンプ連載作品っぽくないようで、ジャンプの本質とも言うべき純粋な感動が描かれている。 筆谷 信昭
幼少の時に出会った、永遠のライバル「あいつ」を追う少年・北野太一と、運命的な出会いを果たした天才体操少女・赤城榛名の物語。子供の頃、運動神経抜群の太一は、月面宙返りを見せつけた「あいつ」に勝つため、コブだらけになりながら特訓を重ねていた。ある日、「あいつ」が橋から落ちたのを救う際、大怪我を負ってしまう。月日は流れ、怪我を克服したかにみえた太一は、体操に打ち込むため、赤木家にやってくる。榛名が「あいつ」だとは気づかないまま…。80年代ジャンプ連載の、スポーツ・ラブコメ作品なのだが、幼少期の怪我が原因で命の危険と隣り合わせで体操に邁進する主人公を主軸に、脇を固める登場人物たちも重い過去や悲劇と戦っている。殆どの登場人物に涙を流すシーンがあるといっていいだろう。最後に「後方伸身三回宙返り三回ひねり」というオリジナルの技が登場するが、実現したら是非「キタノ」と名付けてもらいたい。 鷲谷 祐也