その他の eスポーツ マンガ
eスポーツ
利口になるには青すぎる
- 講談社
©江島絵理/KADOKAWA
ゲーム攻略マンガの嚆矢である本作は、同時にeスポーツマンガの先駆けでもある。「プログラムを攻略」するという本来は静的な内容に対して、あらしの「月面宙返り」「炎のコマ」などの派手なアクションによるスポーツ的な身体表現と、プレイするゲーム内世界をシンクロ描写するというトリッキーさが目を引く快作。現実を後追いする形になることも多いスポーツマンガにおいて、むしろマンガの世界に現実が追い付いた事例でもある。 池川 佳宏
eスポーツという言葉を聴くようになって久しい。しかし、それはどこまで人々に浸透したのだろうか。1990年代に日本で格闘ゲームがブームになり、欧米ではプレイヤーのプロ化が始まった。そして2000年。World Cyber Games Challengeが開催され、「eスポーツ」という言葉が産声を上げる。約20年が経ち「eスポーツはスポーツなのか?」という問いがいまだに残る。「スポーツは肉体を駆使するもの」という概念を私たちがアップデートできていないからだ。『ゲームセンターあらし』は肉体を駆使したゲームの描写が特徴的だ。ゲームでここまでの描写があるマンガは今の時代にはない。eスポーツで繰り広げられる見えない戦いを可視化し、eスポーツの魅力をわかりやすく伝えてくれるマンガ。それが『ゲームセンターあらし』だ。 高瀬 堅吉