©山田 芳裕/小学館
陸上

デカスロン

山田 芳裕
小学館
十種競技の勝者がキングオブアスリートと言われる所以は

日本では知名度が高いとは言い難い、十種競技(デカスロン)がテーマ。初日に100メートル走/走り幅跳び/砲丸投げ/走り高跳び/400メートル走、二日目に110メートルハードル/円盤投げ/棒高跳び/槍投げ/1500メートル走を行うスポーツで、「走る・跳ぶ・投げる」陸上競技における全ての能力が求められる。勝者は「キング・オブ・アスリート」と称される由縁だ。本作は無名選手・風見万吉が日本選手権に挑むところから始まる。各種目について細やかに描かれており、作者が直接「出演許諾」を得たという実在の選手たちも登場、実際の競技に興味が湧いてくる。本作の主人公は「十種競技」そのものなのかもしれない。独特の過剰ともいえる描写が、この過酷な競技にピッタリと合っている。鷲谷 祐也

主催
助成