弱気で卑屈だけど決してマウンドはゆずりたくないピッチャーの三橋。自身のリードに絶対の自信を持ち首をふる投手を嫌うキャッチャーの阿部。「西浦高校野球部」には他にもさまざまな性格の球児が集まっていて、支え合いときにぶつかりながら仲間として成長していきます。また本作では誰でも実践できそうな脳の機能やメンタルトレーニングも紹介されていてとってもためになる野球マンガでもあります。
レビューの一覧
©古舘春一/集英社
類まれなる身体能力を持ちながらも仲間に恵まれなかった日向翔陽。圧倒的な実力がありながらも勝ちに対する貪欲な思いから身勝手なプレーで孤立していた影山飛雄。中学時代、思い通りにプレーできなかったふたりの主人公は烏野高校バレー部で出会いチームプレーの楽しさを知ります。バレー愛とセンスでどんどん成長していくふたり。そんなふたりに影響を与え、支え続けたのはチームメイトたちです。圧倒的な才能たちもひとりでは到達できなかったであろうバレーの高み。すべての登場人物に物語があるのもこの作品の魅力のひとつです。
100メートル走なら負けなしの小学生・トガシと辛い現実から逃避するために必死に走る小宮。ふたりは走ることを通じてつながります。そつなくこなすトガシに対してガムシャラに取り組む小宮。小宮の熱にあやうさを感じるトガシですが、それこそがトガシが恐れ、そして憧れているものでもありました。好きなことに情熱を燃やすことの楽しさと厳しさを経験する登場人物たちに勇気をもらえる作品です。
周りにあわせて目立たないように高校生活をおくる小谷花木。そんな彼が出会ったのは人目を気にせず自由に踊る湾田光莉。一見すると正反対のような小谷と湾田ですが、言葉で伝えることが苦手という共通点を持っていました。言葉がなくても「自由ってきもちいい」と伝えてくる湾田のダンスに惹かれ、小谷も未経験のダンスに挑みます。何かに夢中になることのおもしろさが知らないうちに自信になっている。そんな素晴らしさを教えてくれるような作品です。
©︎井上雄彦 I.T.PLANNING,INC.
バスケットボール
SLAM DUNK
- 集英社
バスケマンガの金字塔!90年代にバスケを一躍世界ブームに
「バスケットボールはお好きですか?」そのひとことがきっかけでバスケをはじめた桜木花道。ボール遊びだとナメていた彼ですが、プレーするごとにその魅力にハマっていきます。経験者ばかりの中にひとり初心者として飛びこんだ桜木。しかし、まわりにどう見られるかなんてお構いなしに、常に自分がどう動いたら勝てるかを考えて行動します。そんな彼の姿はチャレンジをためらう大人の私たちに勇気をくれます。また「勝ちたい」という強い気持ちでつながる決して仲良しチームではない湘北高校のいさぎよさと爽やかさに胸がアツくなります。
©小林有吾/小学館
サッカーにおいて一番楽しいのは自分でシュートを決めること。そう思っていた主人公・葦人ですが東京エスペリオン・ユースへの入団をきっかけに別の楽しさを見出していきます。この作品が教えてくれるのはスポーツの楽しさだけではなく、思いを言語化することの大切さや、成長しようとする子どもたちに対しての大人の関わり方など多岐にわたります。勢いだけでなく理論や戦略をもってプレーする考え方はスポーツ以外の場面でも私たちの助けとなってくれそうです。
©みかわ絵子/集英社
中学時代に天才バッテリーと呼ばれた清峰葉流火と要圭。しかし要が突然の記憶喪失によって野球嫌いになり、ふたりは都立高校に入学します。一方、清峰・要コンビとの対戦から自信を失い、野球をやめた元球児も同じ都立にいました。弱小都立で偶然にも出会い一緒にプレーすることになった野球をあきらめた少年たちとその元凶バッテリー。彼らにとって野球と向き合うことは己と向き合うことです。複雑な思いを抱えながらもともに成長する彼らに胸がアツくなります。