選者の一覧

一乃瀬 光太郎

トキワ荘協議会 事務局長

レビューの一覧

その他

とめはねっ! 鈴里高校書道部

河合 克敏
小学館
ヤングサンデーコミックス
書道をスポーツ作品として選んでよいのかと思いましたが、「甲子園を目指す」というフレーズ、練習時間が長く試合時間が短い文化系マンガだが、練習時間に恋愛にうつつを抜かさずストイックに自己研鑽をするアスリート的主人公のおかげもあり、何よりしっかりその〈競技〉への理解や愛を持つことができる作品なので、アスリート×禅のような楽しみ方もどうかなぁと推薦しました。
©山田 芳裕/小学館
陸上

デカスロン

山田 芳裕
小学館
十種競技の勝者がキングオブアスリートと言われる所以は
作者が『へうげもの』で驚き。武井壮で有名な十種競技のマンガ。スマートフォンのスクロール読みになると、ページを開いていくように見開きすべて使うような大胆な構成が伝わりにくいのかもと思うと、コマ割りを逸脱し、ただただ前に進むことしか知らない主人公の魅力も低減しそうだが、競技自体のマイナーさをひっくり返す画力がすごいので単行本で読むことをオススメしたい。
©︎坂田信弘・中原裕/小学館
陸上

奈緒子

原作:坂田 信弘、作画:中原 裕
小学館
困難を乗り越えていく、型破りな天才ランナーの成長物語
スポーツマンガはメジャースポーツだけじゃない。カバーも必死感あるタッチだし、駅伝(長距離走)のマンガなんかストイックすぎて絶対おもしろくないでしょを裏切られたのを共有できたらなと。仲間と絆で駅伝の解説のようなバックグラウンドドラマは確かにあるが、なぜそれに打ち込むのかといった克己心を風が吹いていくように素直に描いていく作品。
柔道

JJM 女子柔道部物語

原作:恵本裕子、作画・構成・脚色:小林まこと
講談社
リアルな女子柔道部! 白帯の女子高生が世界の頂点を目指す
名作『柔道部物語』の女子版。96年アトランタオリンピックの女子61kg級で金メダルを獲得した恵本裕子さんのエピソードが原作。印象的な表情で伝える、泣きながらでも練習を重ね、勝利を掴む高校生らしい“爽やかな苦しみ”の描写は、頑張る人・ちょっぴり挫けそうな人の心の栄養ドリンク的作品になれるはず。
サッカー

GIANT KILLING

ツジトモ
講談社
番狂わせがあるから面白い!監督目線のサッカーマンガ
プロスポーツとしての認知が上がっていくと、監督が主人公のサッカーマンガも登場する。もちろん選手達の個性もあるが、監督の視点でゲームを組み立て、大判狂わせ(ジャイアントキリング)をメイクしたり、長いリーグ戦を戦っていく上で選手の起用を考えたり〈育成ゲーム×マンガ〉としても楽しめる。読後に選手型作品に帰ると、また違った読み方ができて3度おいしい。
©藤子不二雄A/小学館
ゴルフ

プロゴルファー猿

藤子不二雄A
小学館
少年漫画初のゴルフ作品! 天才ゴルファー猿が必殺ショットで勝利を目指す
トキワ荘に住んだ藤子不二雄Ⓐ作品。スポーツ作品の多くは現実に寄せて描いていくが、現実がやってみたい/みてみたいと「旗つつみ」などの必殺技を追う側となる数少ないスポーツ作品。スポーツ自体が持つワクワク感を、競技を知らずとも必殺技でワクワクさせられる、思わずそれをやりたくなる、必殺技のあるべき姿がやはり魅力。
©️浦沢直樹/小学館
テニス

Happy!

浦沢直樹
小学館
高校を退学してプロテニスプレイヤーに! プロテニス事情がわかる
タッチの柔らかさでサラッとハッピーなのに、ダークな家庭環境や登場人物、打球をネットに引っ掛けて何度も落としブーイングを食らう主人公の超絶技巧とか、一途な思いのようなスポ根に兄の借金返済という命題をかけ合わせたスポーツマンガなのですが、得意なことで明るく生きていく普通以上の感動物語が好きです。
©︎井上雄彦 I.T.PLANNING,INC.
バスケットボール

SLAM DUNK

井上 雄彦
集英社
バスケマンガの金字塔!90年代にバスケを一躍世界ブームに
言わずと知れた名作として。バスケットボールというスポーツ自体を広く知らしめたのもすごいんですが、手先が器用で運動神経の良いスターがひっぱるのではなく、バスケットを外れたボールを奪取する「リバウンド」という縁の下なプレイを目立ちたがりの主人公にやらせたりと、勝つためのゴールが全てではない仲間との成長物語が最高です。
主催
助成