あだち充は野球だけじゃない!競泳を舞台にした友情・恋愛の名作
『タッチ』や『H2』など野球マンガのイメージが強い漫画家あだち充先生の作品であるが、舞台は高校の競泳。夏といえばプールや海。ということで、泳ぎを扱うマンガとして選出。他のあだち充作品と同様、競泳の話でもありながらメインは学園恋愛の話でもある。「ひと夏の恋」という言葉もあるので、夏に恋を楽しみたい人にとってもオススメかもしれない。2021年夏スポーツを100倍楽しめるかどうかは不明だが、「競泳モノ」「学園モノ」「恋愛モノ」など様々なジャンルに分類され得るという意味において、何通りもの読み方ができる作品であり、数倍楽しめることは確かであろう。
天才テニス少年の物語かと思いきや、途中から人間離れした技が炸裂しまくるバトルマンガのような展開になって度肝を抜かれた作品。当初はテニスのルール解説や実際に真似できそうなテクニックもあったが、途中から絶対に真似できない領域に突入していく。様々なメディアミックスが展開されているが、ミュージカル化(通称「テニミュ」)は特に有名で「2.5次元」という用語を世に広める契機となったと言われている。キャラクターやストーリーを楽しむだけでなく、マンガ作品の販売戦略や舞台化など考察するポイントが多数ある。
いじめられっ子からプロボクサーへ。努力を重ねて一歩ずつ前に進む!
母子家庭のいじめられっ子がボクシングを通して成長していく物語。フィクションであるが実在の国名・地名・ボクサー名が出てくることがあるので、また違った読み方や楽しみ方ができる作品でもある。名言も多いので、自分のお気に入り名言を探すという楽しみ方もできる。個人的には、鴨川会長の「努力した者が全て報われるとは限らん しかし…… 成功した者は皆 すべからく努力しておる!!」や「地味なコトの反復になるが優秀な選手ほどその努力を惜しまないと思い知れ」がお気に入り。
新設野球部が甲子園優勝を目指す!最新スポーツ科学ベースに
数ある野球マンガのなかで熱血や青春だけじゃなく、物理学や医学など様々な学問領域における理論やメカニズムなどスポーツ科学の知見が随所に盛り込まれているのが特徴的。一方で、登場人物たちの人間関係や心理的な機微も丁寧に描かれており、気合や根性を中心とした一昔前の“スポコン”マンガとは一線を画する。野球のルール解説や高校野球に関するエピソードも学べ、ひとつの作品で何度も楽しめる。老若男女に支持される要素があり、様々な読み方ができる作品。
バスケットボール
SLAM DUNK
- 井上 雄彦
- 集英社
バスケマンガの金字塔!90年代にバスケを一躍世界ブームに
スポーツマンガの金字塔。個性的なキャラクターや目が話せないストーリー展開などマンガ自体の魅力もさることながら、当時の爆発的な人気と社会現象、関連するトリビア、その後の展開なども含めて教材としても話題に事欠かない。コミックスの完全版や新装再編版の発売、アニメ化やゲーム化といったメディアミックス、各種ランキングでの1位獲得や様々な受賞、印税を原資とした奨学金の創設、バスケットボール公式ルールの改正など、現実社会と結びつけて考えさせる切り口も無数に存在する。「100倍楽しむ」の文字通り、100通りの楽しみ方ができる作品である。