選者の一覧

柿崎 俊道

聖地巡礼​プロデューサー

レビューの一覧

ボクシング

あしたのジョー

原作:高森朝雄 漫画:ちばてつや
講談社
ボクシングマンガの金字塔! ジョーも力石徹も社会現象に
ロープを張ったリングの中、男と男が向き合い、拳をぶつける。熱狂した観客がふたりに野次を飛ばす。テレビカメラがふたりを追う。もはや逃げ場はない。殴る、という原初的な行為で成り立つスポーツは、互いの身体を痛めつけ、壊し続けることで成立する。リングに立つふたりに待っているのは、つねに破滅である。矢吹丈、力石徹、カーロス・リベラ、ホセ・メンドーサ。栄えある破滅へと向かう男たちの姿は、かくも美しい。『あしたのジョー』を手にするたび、胸を打たれ続けている。
©渡辺航(秋田書店)2008
自転車

弱虫ペダル

渡辺 航
秋田書店
チーム戦ならではの仲間との助け合いや友情が魅力
自転車は楽しい。本作の魅力はそこに尽きる。もちろん、バラエティ豊かなキャラクターと、そのキャラクター同士の軽妙なトーク、関係性が人気であることは知っている。とはいえ、『弱虫ペダル』のテーマはシンプルだ。自転車は楽しい。走るのも、昇るのも、降るのも楽しい。ロードバイクが中心の本作に突如、登場したマウンテンバイク編が改めて、読者にその気持ちを取り戻させてくれた。
©︎I.T.PLANNING,INC.
車いすバスケットボール

リアル

井上 雄彦
集英社
それぞれの現実の困難に向き合う。車いすバスケは格闘技だ
ひたすらかっこいい。ぶつかりあう肉体、見るからに危険そうな車椅子同士の衝突、そこに練り込まれたテクニックとパワー。車椅子バスケットボールの荒々しさがページを埋め尽くしている。もちろん、3人の主人公の成長や、脇をしめる登場人物たちのエピソードも楽しいが、僕はとにかく試合が好き。人馬一体となった選手たちの姿は戦国時代の合戦を見ているような思いになる。
その他

火ノ丸相撲

川田
集英社
小さな体で逆境を乗り越えて勝利を掴め!
主人公・潮 火ノ丸をはじめとする登場人物たちの相撲愛が心地いい。厳しい練習、立ちはだかるライバル、己の限界。ハードでシリアスな描写はスポーツマンガには欠かせない要素である。だが、『火ノ丸相撲』ではその合間に挟み込まれる「相撲が好き」「相撲が楽しい」というエピソードが、彼らが高校生であり、相撲とともに輝かしい青春時代を送っているのだということを思い出させてくれる。いつでも読み返したいマンガだ。
©古舘春一/集英社
バレーボール

ハイキュー!!

古舘 春一
集英社
圧巻の臨場感!キャラも魅力的な大人気バレーボールマンガ
日向翔陽に魅せられた。高身長であることが圧倒的優位になるバレーボールにおいて、身長164.2センチという不利な体格。だが、「小さいことは不利の要因であっても、不能の要因ではない」(ライバル選手である星海光来の言葉)。その言葉のとおり、日向翔陽は可能性をつきつめ、成長する。自身の身体の動かし方を学び、味方チーム、相手チームを分析し、戦術を鋭く磨く。ひとりのスポーツ選手が伸びていく様が最終巻まで気持ちよく描かれ、爽やかな読後感に包まれた。
主催
助成