バレエ

ダンス・ダンス・ダンスール

ジョージ朝倉
小学館
男子バレエを熱く描く、性別は関係ない踊ることへの欲求

このマンガのレビュー

バレエダンスの世界は、非常に厳しい。踊りの技術の高さだけでなく、表現力やスター性、さらには容姿までもがシビアに評価される。その厳しさから、読み手もこんなにも苦しいものかと痛みを共有してしまうほどだ。 しかしひとたび舞台上に降り立てば、彼らは「バレエダンサー」として輝きを放ち、読者をその踊りの虜にする。バレエを全く知らない人でも、その踊りの凄まじさを直感的に理解してしまう。マンガであることを忘れ、音楽と踊りの中に没頭してしまうでしょう。「バレエってこんなにすごい世界なのか」と感じてもらえるのではないかと思った。そして自らも思わず体を動かしたくなるというマンガは稀有だと思ったため。 うなぎ

作中で、踊りに「自分」という人間性でさえ滲み出てしまうと感じさせる場面が多く存在します。バレエダンスに勝ち負けや点数というのは本当は存在しないものかもしれません。しかし、主人公・潤平達のバレエへの情熱や真摯さを見ていると「自分自身と向き合って過去の自分今の自分と常に競い合うスポーツ」の様にも思えてならないのです。

世にバレエマンガは数あれど、本作品は男子バレエにフォーカスを当て、なおかつクラシック世界のみならず、映画や音楽、コンテンポラリーダンスなど、作者のもつ多彩な知識や文化背景を取り込んだ作品。現代のコンテスト形式が詳しく紹介され、現役で活躍するバレエダンサーの名前も度々登場するため、一冊読み終わるごとに動画を検索してしまう読者は多数なはず。心のなかで沸き起こる目まぐるしい感情が、体全身から放出されるシーンは圧巻。 塚田 有那

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