©山岸凉子/KADOKAWA
バレエ

舞姫 テレプシコーラ

KADOKAWA
過酷な現実と天才への期待。美麗に描かれたバレエの世界

このマンガのレビュー

どんなに努力しても超えられない壁にぶつかった時、人間はどんな道を選択するのか。「舞姫」という優雅なタイトルからは想像もつかないほど、心がえぐられる衝撃作です。主人公の篠原六花は、控えめな性格の小学5年生。ひとつ上の優秀な姉、千花と一緒に、母が営むバレエ教室でバレエを習っていました。ただ楽しくのんびり踊る六花、対して優秀で完璧主義でプロを目指す千花。平和だった二人の人生は、ある転校生の登場で徐々にひずみが生まれていきます。途中の展開は、あまりにも苦しくて読みすすめるの手が震えるほど。でも、面白すぎて止めることができない。少女漫画界の大ベテラン、山岸凉子先生の手腕を思い切り浴びることができる名作です。 ウエハラアズサ

バレエマンガとしては、あの『アラベスク』から30年ぶりとなる山岸凉子先生の怪作。物語のスタート時点で、主人公・六花はまだ小学5年生。彼女をはじめとする10代の少女たちに、バレエをとりまく様々な問題が降りかかる。バレリーナというアスリートに求められる身体的な資質の壁。いじめや児童虐待、拒食症といった社会問題。綿密な取材に基づくであろう設定が、ストーリーに生々しい現実感と説得力を与えていて、だからこそその中から希望を見出し成長していく六花の姿はとても美しい。 松田 健

『日出処の天子』『アラベスク』の山岸涼子によるバレエマンガ。バレエを習う小学校5年生の篠原六花(第二部では高校一年生になる)と、彼女をめぐる人々が描かれる。いじめ、ケガ、身体、振付、重圧、ありとあらゆる要素がバレエを軸にして渾然一体に描かれる。過酷な場面もあり、いまでも思い出そうとしても自分の中でその場面を思い出すことを止めてしまうほどで、衝撃を受けた記憶だけが蘇る。第11回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。 米光 一成

母親のバレエ教室のもと、レッスンに励む主人公の六花(ゆき)と姉の千花(ちか)を中心に、華やかで優雅に見えるバレエの世界の厳しさや過酷さをリアルに描いた作品。上を目指し才能を評価されながらも、ケガや体型のことなどで苦悩する姉と、向上心よりもただ好きという思いでバレエをする妹。ある事件をきっかけに苦しみながらも精神的に強く成長する六花に、バレエという世界で活躍することの大変さを痛感させられる。バレエの魅力、美しさそして過酷さを描くと共に、人間描写が素晴らしい! Ato Hiromi

バレエという、華やかなスポーツの裏にある厳しい現実を描く作品。中心となるのは、バレエ教室を営む母のもとで幼い頃からバレエに没頭する年子の姉妹。優秀で努力家の姉と、おっとりのんびりとした妹、2人の苦悩と成長は、楽しいことばかりではありません。第二次性徴期による体の変化、ケガの治療とその後遺症など、あらゆる問題に直面します。華やかに舞うその姿にある光と影、両面にスポットを当てた作品です。 すぎゆう

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