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サッカー

GIANT KILLING

ツジトモ
講談社
番狂わせがあるから面白い!監督目線のサッカーマンガ
弱小チームの監督に就任した若き指揮官と選手達の対話が熱い。チームマネジメントの手法を学べる監督のプランニングや、選手のモチベート方法に、手持ちのピースで最大限の効果を発揮する為のメソッドや、選手を奮い立たせる言葉。サッカーというスポーツを通して選手が成長していく為の関わり方を一貫して見せている監督の魅力に惹かれた読者は多いのではないだろうか。スポーツに限らず、チームをまとめる役割にある社会人にもお薦めしたい。
©︎I.T.PLANNING,INC.
車いすバスケットボール

リアル

井上 雄彦
集英社
それぞれの現実の困難に向き合う。車いすバスケは格闘技だ
車椅子バスケットボールという障害者スポーツを題材にした作品。3名の主人公それぞれの視点から描かれた物語ではあるが、その全てに車椅子バスケが関わってくるが、単純にスポーツとしての魅力が全開に描かれている点に注目したい。それまで多くの読者にとって馴染みの無かった車椅子バスケという競技の迫力、出場できる選手の点数の概念の解説や、競技用の車椅子を扱う際の技術としての難しさも丁寧に描かれている。障害者スポーツという括りが最早必要無いのではないか、というくらいに激しさとスピード感全開で描かれた1競技としての魅力を作品から堪能してほしい。
©小林有吾/小学館
サッカー

アオアシ

小林 有吾
小学館
ユースからプロになるサッカーの時代、高校生のサッカー人生を描く
Jリーグユースチームを題材にしたサッカーマンガであるが故に、選手間の競争が非常にシビアに描かれている。全員がプロになる為に戦っているユースという舞台でも非常に育成に定評のあるチームで成長する主人公の過程がしっかりと言語化されている点が印象的。注目すべきは選手の成長のみにあらず、指導者としてかける言葉にも唸る名言の数々であふれている。プロを目指す者にとって、個人として突出するか、その中でチームとしての役割を重視するのか、等選手個人の価値観にフォーカスすることでもより楽しめる、サッカーをもう一段階深く楽しめる作品。
©古舘春一/集英社
バレーボール

ハイキュー!!

古舘 春一
集英社
圧巻の臨場感!キャラも魅力的な大人気バレーボールマンガ
バレーボールというスポーツの面白さを広く世に伝えてくれた作品。作品を通して、主人公達がバレーボールの深みに嵌まっていく過程が丁寧に描かれている。非常に登場人物の多い作品であるものの、キャラクター1人ひとり、各チームのバックボーンまでちゃんと練り込まれており、感情移入できるだけの余白がしっかりある。そしてこれだけは伝えておきたい。この作品は強い選手だけを描いた物語ではない、ということ。弱いチーム、勝てなかった選手にもスポットを丁寧に当てている点に、部活動スポーツ経験してきた全ての人間の気持ちを肯定してくれるような救いも描かれている点に、愛を感じる。スポーツは、決して勝者だけのものではない。それに関わる全ての人間のものだ、と伝えてくれているような気持ちにもなる不朽の名作。
バレーボール

リベロ革命!!

田中 モトユキ
小学館
弱小チームに入部した1人の選手が、やる気のなかったチームメイトに発破をかけ、その熱量で持って心に火を灯していく物語。この作品を読む度に思い返すのは、同じ志を持って同じだけの情熱を抱いて闘うことのできる仲間と出会えることは奇跡に近いということ。ただ、その奇跡を巻き起こすのはたった1人の熱狂なのではないだろうか。県内最強のチームに最少人数で挑んでいく姿、そしてその試合のラストは涙なしでは読めないほどに読者の心にまで火を灯していく作品。バレーボールが繋ぐ熱い魂の物語を体感してほしい。
バドミントン

はねバド!

濱田 浩輔
講談社
目覚める才能、天才ってなんだ?青春&熱血バドミントン部ストーリー
表紙に描かれている可愛らしい女子高生のイラストからは良い意味で裏切られた。登場人物の試合中での表情や、ほとばしる感情からは時に狂気にも似た感覚を感じる。弱小チームがスペシャルな選手の入部により、全国の舞台にまで羽ばたいていくストーリーではあるが、その中で部活動ならではのエピソードもしっかりと散りばめられている。周囲との実力差に苦しむ選手の葛藤。主将としてチームを背負う覚悟を込めて戦う選手の偉大さ。それぞれのプライドがぶつかり合うシングル対決の描写は、スポーツを超えて最早バトルマンガと言っても差し支えないだろう。戦いの境地の果てに辿り着いた彼女達の魂を見届けてほしい。
©︎井上雄彦 I.T.PLANNING,INC.
バスケットボール

SLAM DUNK

井上 雄彦
集英社
バスケマンガの金字塔!90年代にバスケを一躍世界ブームに
この作品が伝説の作品たり得た理由のひとつは、弱小チームと呼ばれる高校に所属しながらも、最後まで諦めなかった男達が起こした奇跡を読者に見せてくれたからに他ならないでしょう。個性豊かなメンバーを受け入れられるように土台となって支え続けた赤木、木暮の3年生2人。一度はバスケ部から離れ混乱を引き起こすもプライドを捨ててバスケ部に戻ってきた三井。素人ながら恵まれた身体能力に加え、今の自分に出来ることを精一杯考えて実行していく桜木の考えぬく力。ベンチで支えるメンバーを含め、感情移入できるキャラが何人も登場する、人間としての魅力に溢れた本作を読めば、スポーツというジャンルが持つ偉大さ、素晴らしさを存分に体感できることでしょう。
サッカー

蒼のアインツ

中村尚儁
講談社
チームがピンチに陥った時に立ちはだかる最後の砦、GKが主人公というサッカーマンガとしては異色の作品。ファンがアスリートに抱く感情のひとつが憧れ、であると感じます。それは、アスリートが屈強な身体と精神力で闘う姿に魅せられているからに他ならないでしょう。本作品では、GKを生業にしている主人公の心の強さを感じ取ることが出来ます。並の人間ならとっくに心折れてしまう場面でも、愚直に努力を繰り返すその姿が希望となり、気づけば自分の背中を支えてくれているような気持ちになる、そんな作品です。
主催
助成