このマンガのレビュー
帯ギュを読むと強くなるんです。本当に。高校時代柔道部だった私にとってバイブルでした。作者の河合克敏先生が柔道経験者ということもあって、才能に恵まれているわけではない選手が勝つために積み重ねる努力や作戦が、すごく現実的に描かれているのです。考えて適切な努力をするからこそ強くなるということを学べるマンガです。 松岡 忠幸
本業ではNFTやオンライン展覧会などデジタルでの企画させてもらっていますが、実は小学校の時に柔道を少しだけやっていました。その動機となった作品が「帯をギュッとね!」なのです。河合先生の描く浜名湖高校のメンバーたちは、とにかく仲が良い。その飾り気のない、朗らかな仲の良さに、私はあこがれてしまいました。粉川巧の背負投、ライバルである鳶嶋の袖釣り込み腰、斉藤の三角絞め。巧がやっていたお尻のストレッチしか習得できなかった私からすると、目の覚めるようなカッコいい技がたくさん出てくるのも帯ギュの魅力です。 中村 太一
昇段試験で出会った柔道少年たちが同じ高校で再会し、柔道部を立ち上げるところから始まり、強豪たちと渡り合い、やがて全国大会へ、という物語。あらすじを書くと非常にオーソドックスな印象になってしまうのだが、『NEW WAVE JUDO COMIC』と銘打たれた本作は、軽妙なギャグを混えたストーリー展開、魅力的かつ多彩なキャラクター、迫力ある試合描写で、作品世界にぐいぐいと引き込む。全30巻が物足りなく感じられる程だ。作者も柔道経験があり、知見のない読者にもわかりやすい解説などが加えられている。楽しみながらトレーニングを積んで、仲間たちと強くなる。部活動を経験していなくとも「こんな仲間たちとスポーツに打ち込んでみたかった」と思わされる、「青春部活マンガ」の最高峰だ。 鷲谷 祐也
細かいこと抜きに、試合の緊張感と躍動感がリアルに伝わる作品。リアルさにおいて秀逸であり、人間成長もみられる作品であるため選びました。また、自分たちが部をつくることから始まるストーリーであるため、あきらめず、仲間と一緒に頑張ることの重要性も再認識できます。 熊谷 崇之
数少ない柔道マンガにおいて、時折ギャグを交えながらも、楽しみながら強くなる様子を描く同作は、スポ根マンガではない部活動マンガとして今も色あせない名作だ。柔道という個人競技でありながら、団体戦の描写などチームとしての目標に重きを置く。スポーツマンガにありがちな権威主義などはなく、大人も子どももフラットな関係でスポーツを楽しむ描写は、現代にこそ、その作品の特徴が光るのではないだろうか。読後には、部活という青春時代をもう一度過ごしたいと思われる気持ちになるはずだ。 江口 晋太朗
この作品に出会った時、「何故うちの学校には柔道部が無いの?あれば絶対に入ったのに!」と悲しみに暮れたほどに大ハマリした柔道マンガ。個性的なキャラクターたちの魅力に虜になりながら、かなり本格的な柔道のルールを自然と覚えることができます。シリアスにストーリーが展開していくわけではなく、かなりギャグ要素が詰め込まれているため、笑いながら、しかし時に試合展開にハラハラしながら、そして感動の涙に暮れながら、柔道にドップリと浸れる作品なのです。 ウエハラアズサ