その他の サッカー マンガ
赤き血のイレブン
- 少年画報社
音楽マンガの傑作『四月は君の嘘』の新川直司先生が描く女子サッカーストーリー。登場人物たちがサッカーに打ち込む理由は様々だ。強くなりたいから。王者として負けられないから。純粋にサッカーが楽しいから。けれど、全員が共通に背負っているものがある。それが「マイナースポーツの悲哀」だ。先人たちが築いてきたものを受け継ぎ、競技として大きくしなければという使命感。登場人物それぞれの心の動きが繊細な旋律のように描かれながら、ひとつの使命に向かってうねりとなっていく様は、さながら美しく感動的な楽曲のよう。 松田 健
高校生たちの女子サッカーにかける熱い姿を描いた本作。女子サッカー界全体が抱える難しい問題をテーマに内包しつつも、登場人物たちはみんな、ひたすらサッカーに夢中でグラウンドを走り回っています。情熱も涙も笑いもカタルシスもぎゅうぎゅうに詰まった作品ですが、ドロドロと心をかき乱されるような薄暗さはどこにもありません。サッカーが好きで、仲間が大切で、勝負に真剣で。彼女たちの行動原理は明快で、本作にはカラッとした気持ちのいい空気が流れています。テンポの良い試合、終始繰り広げられるドタバタ会話劇、印象的なセリフなども含め、普段スポーツマンガを読まない方にも迷いなくおススメできる作品です。 旅するタコ
こんなにもサッカーに熱狂できる情熱が自分のなかにあったとは。女子サッカーの苦悩と熱狂を描いた本作は、私の心にサッカーの火を灯してくれた作品でした。ページをめくれば気づけばサッカーコートの中。主人公たちと一緒に、いつの間にか自分もコートを走り回っている感覚を覚えます。「サッカーってやっぱおもしろい!」読み終わったあとには、そう叫びたくなる作品です。 江口 ひろ
スポーツにおいて、勝利目的を純粋に遂行するには、人生を懸ける必要性が生じます。換言すると、スポーツだけをしていても暮らせる状況を作らなければなりません。つまり、お金が要ります。幸いにも、人間は洗練された心技体で闘う人々に魅了されるようで、観客と応援により金銭が動き、スポーツ業界となりました。女子サッカーに、未来はあるのか。それは火急かもしれませんが、彼女らの問いではありません。サッカーで勝ちたい、という直球な欲が、彼女たちを動かしています。遠回りのようでいて、畢竟、高熱をもって打ち込む若い世代がいれば、未来はどうとでもなり得る。この漫画を読むと、そう思います。 竹谷 彰人
女子サッカーをテーマにしたマンガで、とっても熱い作品です!才能があっても、環境によってその才能が花開くかどうかは全然変わってくるんだなと再認識させられるマンガでもあります。弱小と言われるワラビーズに、中学時代才能はあっても孤独だった選手や、男子サッカーで戦いたくても戦えなかった悔しさを持つ選手など、魅力あるキャラクターたちが集いチームとしてサッカーを楽しんでいる姿、一生懸命頑張っている姿がとてもかっこいいです!!才能があるって素晴らしいなとワクワクします! はなはな
なでしこジャパンの活躍以降、急激に注目度を集めるようになった女子サッカーの世界を舞台にした作品ですが、本作を読むとむしろ「スポーツに本質的に男子・女子などという境はない」と感じさせられます。ひたすら頂点を目指し、世界を変えようとする若きプレイヤーたちの躍動は、男子・女子という境界と無関係に心動かされます。主役である高校生たちはもちろんですが、彼女たちを支え、ともに世界を変えようと願う大人たちにも心打たれる作品です。 小林 聖