©渡辺航(秋田書店)2008
自転車

弱虫ペダル

渡辺 航
秋田書店
チーム戦ならではの仲間との助け合いや友情が魅力

このマンガのレビュー

スポーツ漫画では、主人公が1年生の場合、最初の1年目は敗れて、3年目に捲土重来してリベンジ、的なパターンが多いですが、最初の1年目から優勝させちゃったのが、なんとも画期的。連載終わるのか、と思っちゃいました。それでもテンション落とさずに描き続けられていて、毎回、抜く&抜き返すターンバトルの連続な気もしないでもないですが、熱いから良き。で実は、ちょうど僕の地元の千葉県佐倉市が、彼ら総北高校の所在地設定ということで、コラボキャンペーンなどもしてたりしましたが、それ全く関係なく、大好きです。 ヨシダプロ

アニメやゲームのためにママチャリで千葉から秋葉原までママチャリで通っていた高校生・小野田坂道。その経験で培われた驚異の「漕ぎ」を見出され、坂道はアツくて過酷な高校自転車ロードレースの世界に身を投じていきます。チームワークの大切さはどのスポーツにも言えることで、もちろんロードレースでもかなり重要視されます。ですが、ロードレースは自分のコースを走っている時は孤独...。自分との戦いなのです。直線道路、激坂、そして後を追ってくる敵たちと戦いながら、チームの襷を繋げるために最後まで全力で漕ぎ続けるその姿に思わず胸がアツくなります。チームワークはもちろん、自分との戦い方について考えさせられる作品です。 ちゃんめい

千葉から秋葉原まで自転車で難なく通う脚力を持つオタク少年が、自転車ロードレースに出会い、個性的なチームメートやライバルとの交流を通じて、その才能を開花させていく。渡辺航の描線は、自転車を、器械でありながらまた同時に選手の身体の延長でもあるものとして、圧倒的な躍動感をもって描き出す。リアリティが失われてしまいかねないギリギリのラインまで針を振り切っていく誇張表現が、読者を熱狂させてくれる。 宮本 大人

自転車は楽しい。本作の魅力はそこに尽きる。もちろん、バラエティ豊かなキャラクターと、そのキャラクター同士の軽妙なトーク、関係性が人気であることは知っている。とはいえ、『弱虫ペダル』のテーマはシンプルだ。自転車は楽しい。走るのも、昇るのも、降るのも楽しい。ロードバイクが中心の本作に突如、登場したマウンテンバイク編が改めて、読者にその気持ちを取り戻させてくれた。 柿崎 俊道

僕自身がロードバイクを始めるキッカケとなったマンガ。高校生による対抗戦もあるが、個性の強いキャラクターが戦いだんだん人外化するキャラクターもいるが、どこか哀愁があったりする。そして自分の乗っているバイクが新開さんと同じモデルで一時期街中でポーズを求められたのは良い思い出。 鴨志田 由貴

日本国内ではメジャースポーツとは言い難い自転車競技の魅力と知名度を大きく広めた作品。主人公が気の弱いオタクという、親しみやすく、およそスポーツマンガらしくないキャラクターであることもこの作品の魅力の一つである。 湯川 康宏

オタクな主人公小野田坂道が高校で自転車競技部に入部し、仲間と共にインターハイ優勝を目指す本格高校ロードレースマンガ。スポーツマンガとしての面白さは当然ながら、様々なチームや個性的なキャラクターが登場し、「チームで戦う」ことを色々な確度から非常に丁寧に描いている作品。これからは個の時代と言われる昨今だからこそ、チームで戦うことの意義を考えることにもつながる作品だと思い選定しました。 芹田 治

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