その他の その他 マンガ
Fの閃光
- 集英社
呼出し一
- 講談社
- モーニング
競技かるたを扱う数少ないマンガ作品。百人一首のかるたというと、着物姿でゆったりと…なんて、高貴で雅な姿をイメージしそうですが、競技かるたは全く違います。大会で1日中かるたを取ると3kgも体重が減ることもあるほど消耗の激しいスポーツなのです。競技の服装も、着物ではなくシャツとジャージ。札を1字読み始めた瞬間に激しい札の取り合いが行われます。常日頃から競い続けるための体力、音を聞き分けるために聴き分ける力、札を誰よりも速く取るための瞬発力、それらの力を鍛えるその姿はまさにアスリート。“かるたの日本一は世界一”。世界一になるべく挑み続けるアスリートたちの姿をぜひこの作品で。 すぎゆう
これは現代版の『エースをねらえ!』にも思える。競技かるたの世界を舞台に、主人公・千早、新、太一の3人の幼少期の出会いから、現在進行形で高校生に成長し、それぞれのスタンスでかるたに挑む姿を描く。何より魅力的なのは、登場人物が老若男女と幅広く、それぞれのキャラが濃いこと。とくに3人の恩師である原田先生が、老境にありながら名人戦に出場し、若い彼らに貪欲に勝負に挑む姿には痺れた。畳の上では全てが対等であり、そして競技とはかくも残酷で、涙が出るほど愛おしい。そこから学ぶことを描くのもスポーツ漫画の魅力なのだ。 中村 公彦
『ちはやふる』が百人一首競技かるたの世界を広く世に知らしめたと思う。私自身、この作品を読むまで百人一首は国語や日本史の勉強の世界にあるものだった。かるたのイメージはみんなで楽しくやる遊びでしかなかった。しかし、今なら知っている。一枚でも多くかるたをとるためにどれほどの研鑽を積んでいる人たちがいるのか。そしてその競技の身体的・精神的過酷さや競技者たちの熱意も知っている。自分が知らないだけでまだまだ面白いスポーツがたくさんあるに違いないと思わせてくれた。新しい世界との出会いにつながるマンガだと思います。 うなぎ
競技かるたはスポーツだ。このことを広く認知させたのが、この作品の大きな功績の一つだろう。実際、その練習における肉体的な鍛錬、試合における、五感を研ぎ澄ませ、全身を使って最速で札を取りに行くアクション、その息詰まる熱戦を描くスタイルは、まぎれもなくスポーツマンガだ。そこに百人一首の歌の世界が持つ様々な恋のイメージが重ね合わされることで、この作品は熱血スポーツマンガであることと、恋愛少女マンガであることを、見事に両立させている。 宮本 大人
競技かるたに青春をかける主人公たちの姿から、「一生懸命」の真の意味に気付かされました。本番で極限の集中力を発揮するために、日頃の練習から本気で取り組む姿は、運動部さながら。主人公・千早の、まっすぐに努力を続ける姿からは、「私も目の前にあるものごとに一生懸命取りくもう」という気持ちが自然と湧き上がってきます。主人公たちが競技かるたにかける「想い」が結果を大きく左右する、というのは、実社会でも大切な教訓だと感じます。また、読んでいるうちにいつの間にか和歌についての知識が身についているのもポイントです。 萬田 大作