バレーボール

少女ファイト

日本橋 ヨヲコ
講談社
複雑な人間関係を描く、高校女子バレー群像劇

このマンガのレビュー

同じくバレーボールでも、より登場人物の内面や関係性、友達とはなにかを考えさせられる作品。高校生において部活というコミュニティがどれだけその人を形成する上で影響をするか、そして個々の部活以外の要因が部活に影響するかがとても丁寧に描かれています。1巻から続けて読むと、登場人物の成長や葛藤を見ることができて、このマンガは読む年代によって自分のなかでも感想が違いそうだなと思います。繰り返し読みたい作品。 洪 華奈

現在の日本マンガ界で一、二を争う、太く力強い描線と、躍動感のある大胆な構図で女子バレーボールを描く。女性作家が女子競技を、熱血少年マンガのメソッドで描き、(一応)男性向けのマンガ誌に連載して、男女問わず人気というボーダレスな立ち位置も現在的で小気味よい。主人公はじめ主要キャラのそれぞれが背負った心の枷を丹念に追い、競技を通じた挑戦と成長で打ち勝っていく過程は、痛々しくも力強く、心を奮い立たせてくれる。 表 智之

バレーに人生を捧げる人たちを人生ごと描いているバレー漫画。教訓もたくさんあります。 小田 雄太

主人公・大石練(おおいし・ねり)は、中学の名門バレー部に在籍しながら、実力をひた隠しにしている。それには全国大会で準優勝までした小学生時代のチームメイトとのトラブルや、姉・真里が大きく関係していた。やがて自分と正面から向き合う事を決意し、姉と同じ高校のバレー部へと進む。曲者ぞろいのチームメイトも、それぞれの問題やトラウマを抱えている。この作品は、少女たちが闘い、もがきながら成長していく群像劇だ。人間関係も密なら、登場人物一人一人の背景も密。更に濃ゆいセリフが随所に散りばめられている。濃厚である。誤解を恐れずに言うと「読むとグッタリする作品」である。読み飛ばせない作品なのだ。その代わり、心の芯に喝を入れてくれる。バレーボールについても綿密な取材に基づき、丹念に描かれているが、実は物語の装置はバレーでなくてもよかったのだろう。最後に作者のTwitterでの発言を紹介しておきたい。「もうそろそろバレー漫画じゃないのに気づいてくれたらいい(まあまあバレーするけど)」。 鷲谷 祐也

バレーボールをテーマにしていますが、このマンガの本質は人間ドラマ。誰が、どのチームが主役かとかそういうことではなく、生きづらさを抱えた登場人物たちがぶつかり合い、ままならない感情や弱さを抱えながら、それでも自分や他人と向き合って成長していく群像劇です。むき出しの魂と密度の高すぎる熱量にあてられて、気づけばどっぷりと世界に浸かっていることでしょう。 旅するタコ

熱血高校バレー漫画!!!なのですが、日常生活で思い出す、ハッとする言葉がたくさん出てきます。人にはそれぞれ抱えている背景があり、チームで何か目標に向かっていく時に、周りにどう思われているか気にしてしまったり、人間関係の壁にぶつかったりする時に、少しだけ考え方を楽にしてくれるような言葉をくれる漫画でした。特に「どうにもならない他人の気持ちはあきらめて、どうにかなる自分の気持ちだけ変えませんか」という台詞が印象的で、わかりあえない部分があっても、そこを尊重してチームを作っていけるということを学ばせてもらいました。 きだ さおり

作者の日本橋ヨヲコさん曰く、バレーボールでは空気を読むことが重要だそう。各々の抱える事情を相互の「コミュニケーション」によって解きほぐしていく主人公たちは、「空気を読まず」場を引っ搔き回していくため、自ら悪役を名乗っていきます。繊細な心理描写から生まれるドラマと、ハッキリした線で描かれる、静動のメリハリがある描写。そこに日本橋ヨヲコさんの趣味が反映されたサブカル風味が端々に効いて、1粒で3度美味しい漫画になっています。 小林 優介

「人もネットもコートもボールも自分の一部になったような気がするの こんなに溶け合えるものほかにないわ」作中に出てくるこの言葉がきっとこの作品のテーマだろう。濃密な人間ドラマ、熱いバレーボールシーンに心震えない人はいないはず。 倉持 佳代子

憧れのバレー選手であり最愛の姉の真理を事故で亡くし、悲しみを紛らわせようとバレーに没頭するものの、「狂犬」と呼ばれ、独りよがりな選手になってしまっていた大石練。姉の母校でもある私立黒曜谷高校に入学したことをきっかけに、仲間との絆の中に新しい目標とバレー本来の楽しみを見つけていく。この世界観では、試合はコートの中だけでは進行しない。様々な陰謀や思惑が飛び交い、心理戦を仕掛けたり不祥事を誘発して対戦相手を陥れようと画策する者も……。個性が強すぎるキャラクターたちに“推し”を見つけるのもオススメの読み方だ。 吉村 麗

スポ根ものとしてはもちろん、恋愛ものとしても楽しめる、なんとかして来世でも読みたいくらいの至高の作品。バレーボールを通じて、何かに夢中になることの大切さ、チームで成し遂げることの難しさと喜び、友情の尊さなどが深堀りされています。さらに、読むとすっと背筋が伸びるような、襟を正してしまうような、そんな名言が散りばめられているのも特徴。読後に「きちんと生きたい」という気持ちになるマンガに出会えて幸せです。 ウエハラアズサ

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