その他の 野球 マンガ
ドカベン
- 秋田書店
- 週刊少年チャンピオン
背番号0
- 小学館
がんばれ!!タブチくん!!
- 双葉社
光の小次郎
- 講談社
大甲子園
- 秋田書店
- 週刊少年チャンピオン
隠し球ガンさん
- ビーグリー
特異なキャラクターや魔球などは登場しない、チームワークやリアルな野球戦術にじっくりと焦点を当てた野球マンガの古典的名作。主人公が固定されず、代替わりしていく墨谷二中の「キャプテン」というポジションを軸に、役割が人物を育て、責任を背負って少年が奮闘する姿に読み手が感情移入していくという構成に引き込まれる。こうして作中で育ったキャラクターの魅力が大きく、初代キャプテン谷口の卒業後が描かれたスピンオフ作品『プレイボール』も並行して楽しめる。 池川 佳宏
才能とは何か。持って生まれた身体的な能力を超えて、スポーツには別の「何か」が存在する。例えば「才能とは好きでい続ける力のこと」という言葉があるように、本作をはじめ、作者ちばあきおの作品は、どちらかといえば身体能力に恵まれない子供たちが、ただ「好き」というだけで努力を重ね、周囲と共に少しづつ成長してゆく姿が描かれる。フィジカルエリートの競い合いとは別の、そんな選手たちの泥臭い生き様を描くことが、スポーツ漫画のもう一つの魅力なのだ。そしてそれは、偉大なる長兄ちばてつやの身近に居ながら、自分ならではの漫画を追及し続けた作者自身の投影にも思える。 中村 公彦
アニメ化、映像化もされた野球マンガの大傑作。名門校野球部から転校してきた谷口タカオ。実は二軍の補欠だったのだが言い出す機会を失って、勘違いのはてにキャプテンにされてしまう。その谷口タカオが、試行錯誤と努力で野球部を引っ張っていく。谷口キャプテンが卒業してもマンガは終わらず、丸井、イガラシ、近藤と歴代キャプテンがスピリッツを受け継いでいく。そのスタイルは、『ジョジョの奇妙な冒険』やAKB48に影響を与えた(←ただの思い付きで書いた)。現在、コージィ城倉がキャプテン・スピリッツを引継ぎ『キャプテン2』を連載中。 米光 一成
舞台は昭和40年代後半、王道の努力や根性のスポ根漫画のみならず、一人のキャラで成り立つ作品ではなく、「キャプテン」という役割に光を当てている。つまり、それまで主人公だったキャラが抜け、後輩がその役割を担う。チームという組織をまとめあげることの難しさ、前任者との能力の違い、キャプテンという責務における苦労に、スポーツが持つ社会性や組織運営の難しさを感じさせる。単純な勝ち負けではなく、個々人が自身の能力や力を最大限発揮するための環境作りこそが大切だと気づかされる。 江口 晋太朗
すでに『巨人の星』など魔球といったギミックを使った先行ヒット作が生まれていた時代に、地味と言ってもいいくらい堅実な中学生野球を描いた作品。試合自体も面白いですが、試合に至るまでのチームの成長、人間ドラマが大きな魅力。タイトルどおりキャプテンが主役ですが、そのキャプテンが代替わりしていき、世代交代による衝突を乗り越えながら新たなチームができあがっていく過程を描いているのが、今読んでも新鮮です。後の『GIANT KILLING』など、マネジメントにフォーカスしたスポーツマンガのブームを30年以上先取りした作品ともいえます。 小林 聖
古いマンガなのに今読んでも面白い!!野球マンガで、魔球もでない。可愛い女の子も出ない。まじで、ただ、たんたんと練習と、試合をしているだけ。それなのに、なんでこんなに感動するんだろうか。私は表現する言葉を持ち合わせていないです。中学校の野球部を舞台とした本作品は、弱小中学に主人公が転向するところから始まります。彼は名門中学から転向してきて、みんなの期待が集まるが、実は転向前の名門中学では2軍の補欠。しかし、ひょんな事で活躍してしまい、キャプテンに任命されます。主人公は言います。「僕は元々そんな資格も素質もないんです。もともと…2軍で補欠だったんです」。そこで元キャプテンは言います「そんな事はわかっていた。だが、君は最初は勘違いだろうと、みんなの期待に答えようと影で努力してた。だから新キャプテンに指名したんだ」。そこから、弱小中学でキャプテンになった彼の、大きな挑戦が始まります。いや、ちょっとうまくかけない。まじで一度3巻まで読んでほしいです! 前田 雄太
数ある熱血スポコン野球漫画の中でも、主人公の超人的なスキルに依存しない王道的な作品。平凡な中学生たちが努力とチームワークで成長してゆくさまは、読んだ者の人生を変えるマンガといっても過言ではない名作。続編に『プレイボール』『プレイボール2』がある。 湯川 康宏